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木口の処理法
  家具作りに特化した情報をお伝えしています。
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2008/08/15

シナ合板を使って作るとその表面のシナのお陰で大変美しく仕上がります。 但し合板との名の如く木口は薄くカットした奇数枚の板の貼り合わせですから表面とは全く違った質感であり、ムク材や集成材と比較すると見え方は余り良くありません。 今回はその木口を美しく見せる方法について解説します。

この目的で私が取る木口処理には次の3種類があります。

   1.木口をペイントで塗り潰す。
   2.木口にシナ木口テープを貼ってからニスで仕上げる。
   3.木口の積層をデザインの一部となるようニスで仕上げる。


これらでどれがベストとは言えず、塗装をどうするのか?(ペイント塗り潰しかニスで仕上げるか?)、どのような見せ方をしたいのか?によりほぼ方法は決まってしまいます。 簡単にそれぞれの特質に触れておきます。

 1.木口をペイントで塗り潰す。
 木口(切断面)を研磨してから塗装に入りますが、研磨には替刃式ヤスリ(M-20GP)がベストです。 何故
 ベストかというと強圧研磨をしても幅の狭い木口面がカマボコ状にだれてこない点と研磨後に約#200相当
 の細かな目となる点にあります。 その点でサンドペーパーよりも高性能です。

 その後ペイントで塗り潰しますが、その前に木工パテで切断面に見える沢山の導水管をふさいでしまった
 方が楽に塗り潰し出来ます。 但しパテによる作業はパテが完全乾燥後研磨しないとなりませんのでここで結構時間が掛かると思います。 またパテを使わず塗り潰したい場合には恐らく4回位の重ね塗りで塗り潰せるようになるでしょう。 2回塗りではまず間違いなく塗り潰せません。 よってどちらの方法を取ろうとかなり時間が掛かると思って差し支えないです。 どうしても作業時間を短縮したければ、後述する木口テープを貼ってからペイントで塗装ということになります。 この場合には2回塗りで美しく仕上げられますが、材料費的には木口テープの分だけ負担が重くなります。

 2.木口にシナ木口テープを貼ってからニスで仕上げる。
 木口テープは粘着材の付いたものが作業しやすいです。 粘着材無しの場合には専用の接着剤を使って
 貼りますが、過熱硬化させるアイロンが必要とかはみ出た接着剤の処理など作業難易度がかなり高いの
 で、アマチュア用には粘着剤付きをお奨めします。

 粘着力は専用接着剤で貼った場合ほどではありませんが、一度貼ったものは貼り直しが出来ないほど接
 着力があります。(剥がすと材料の表面が剥がれて来る位強い。)
粘着タイプの使い方としては木口を替刃式ヤスリで研磨し表面を平らにした後細かな削りかすをきっちり絞った雑巾でぬぐって乾燥させてから裏紙を剥がしながら貼ってゆきます。 貼りなおしは出来ません(と言うか剥がしてはいけない!!)ので、木口の両端にテープが僅かはみ出てしかもテープと木口が平行になるよう貼り付けるのがコツです。  これが終わったらはみでた部分をカッターナイフで切り落としもう一度表面を強くこすって圧着しその後サンドペーパーで仕上げ研磨します。

文章で表現するとややこしそうですが、少し練習をすればその要領は掴めるでしょうし難しい作業ではありません。 そしてニスで塗装ですがその前にステインで着色することも出来ます。  私のお奨めは天然木のシナ木口テープですが、薄いプラスチックテープで作られた木口テープもあります。 こちらは安いのですが、表面は木目の印刷であり、シナ合板の表面とは質感が全く異なり着色は出来ませんし塗装も上手く行きません。

 3.木口の積層をデザインの一部となるようニスで仕上げる。
 合板の木口の積層部分をデザインの一部と捉えてニスで仕上げる方法ですが、3種類の方法の中では最
 も手間が掛かります。 というのは木口面に難があっても(凹み、傷など)それを埋める方法が無いので、
 切断段階から慎重に作業を進めないとなりません。 塗装に際してもパテを使うことは出来ず、ニスのみで
 細かな凸凹や導水管の穴埋めをしないとなりませんから、表面を滑らかになるよう仕上げるのには塗装回
 数は4回以上を覚悟しないとなりません。 よって手間は最も掛かりますが独特の味わいに仕上がります。

私の場合の例を再度紹介しますと、家具の本体部分は全てペイントで塗り潰すことが多いです。 但しそれでは色に対する変化が乏しいので、扉や引出しの前板、カウンターなどはステインで着色しニスで仕上げる事も考慮しています。  これにより木口の処理はケースバイケースながら1.2.3.の全てを使い分けていることになります。

木口の幅は18mm合板の場合当然ながら18mmですが、これを如何に上手く仕上げるかにより見栄えはかなり変わってしまい、折角のシナの面が生きなくなってしまいます。 構想・設計の段階からどうするのかを良く考えておいた方が良いでしょう。


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