HOME
サイトマップ
アマ的手法
材料
工具
作品一覧
リンク
mini-Shop


 
ミニタワースピーカー
 
2003/06/19
製作構想

ここのところ連続してスピーカーの製作を日曜大工の切り口から(オーディオ趣味の切り口ではなく)お伝えしてきました。

音響迷路型のスピーカーそしてTQWTと言うわけですが、それぞれの特質を考えるとまた新たなスピーカーの構想がむらむらとわいてきています。   それらとは、

・ 音響迷路型は音質の完成度も高く我が家の目的(家具の最下段に嵌めこんでしまう)にはぴったりしているが、
  使いやすい一般的な形体をしていない。


・ 一方TQWTの方はワイドレンジに仕上がったものの高域のエネルギーが大きいと言うアンバランス感が未だ取り切れ
  ていない。  完全に取り除くのはほぼ不可能と想定されアンプのトーンコントロールで補正する必要性が高い。


といった問題があるわけです。   TQWTについてはそのままの設計でユニットを他のものに変えればバランスが良くなる可能性について触れていますが、そのユニットの中にFE-87があります。 TQWTで使ったFE-103系よりも中高域の張り出しが少なく全体ではむしろ素直な音色です。

 このFE-87を使ったTQWTを考えているうちに、TV専用のスピーカーをこれで実
 現したらと考えました。 但し我が家のTVは高さが590mmです。
 900mmの前作の高さはどう考えても高すぎです。 その高さに合わせて幅を押さ
 えた物(奥行きは若干あっても良い。)を思考実験しているうちに、何とかいける
 ぞ!と結論付けました。

 TV用ですからあまり再生帯域を欲張らなくてもよく、75Hz前後を共振周波数にす
 れば旨い寸法になりそうです。(前作は50Hz 早速Excelで図面を書き出し何通
 りか描き上げた後にこれで行けそう!というものが出来上がりました。

 左の図をクリック願うと設計図詳細がご覧いただけますが、
 高さ590mm、幅115mm、奥行き156mmと前作に比べると2回りから3回りコンパ
 クトになっています。 ミニタワーと言って良いと思います。
 同じTQWTでありながら前作と違うのは内部のパイプがテーパー無しのストレートな
 パイプになっていることで、こうしたのはスピーカーユニットの位置が丁度旨い高さに
 なるからで、正しくはTQWTではなくQWT(Quarter Wave Tube)となります。

 まだ板取り検討はしていませんが、サブロク合板3/4位の大きさで作れるのでは
 ないでしょうか?  これでしたら一般的でありスピーカーボックス製作に取り組んだ
 経験のない方でも製作費が下がることも含め敷居はかなり低くなります。

 我が家にても単純にTVを見る場合にもAVアンプで複雑な操作をしなければならな
 かったのが、TV専用のスピーカーが出来ることにより簡単な操作で済みますから
 家内の賛同を得られるはずです。 (音もTV内蔵のものより遥かに良くなる。)


ということで今回は設計構想の紹介までですが、近日中に製作をご披露いたします。



2003/07/10
ミニタワースピーカーの製作

前述の図面どおりに製作したミニタワースピーカーシステムを紹介します。
本サイトはオーディオの手ほどきを主目的としているわけではないので、最もバランスの取れていると思われるチューニング状態で製作方法を解説します。(オーディオに興味ある方は最後に追記として好みに合わせたチューニング法について解説します。)

前作のFE103系のユニットを使ったTQWTが極めて個性的で人によっての好き嫌いが大きく分かれると思われるのに対し、今回のシステムは再生帯域全体のバランスが良く、万人が満足できる結果を得られると思います。

先ず使用材料ですが、木材に12mm厚シナ合板を使いますと1枚\5,000.-位ですから端材を旨く他に流用したとすれば後述しますが、\2,800.-がスピーカー用の出費となります。 安く仕上げるのが目的でしたらテトリス型収納ボックスで使ったOSBが良い
でしょう。 この場合3 x 6\1,000.-以下で購入可能ですから、スピーカーボックス用の使用量は\500.-程度しか掛かりません。  またコンパネも安い材料ですが長さが1800mmと短いので板取りが悪くなる可能性があります。

スピーカーユニットは音響迷路型に使用したものと同じ口径80mmのフルレンジスピーカーFostexFE-87ですが、Fostexの出している他の口径80mmのユニットは低域特性についてはほぼ同じと考えてよいのでどれを選んでも良いです。 但しTVに近接させて使うのであれば防磁型にした方が安全です。  実売価格は1個\2,500.-前後です。 他にスピーカー端子が数\100.-、吸音材はホームセンターで売っていたカーペットの下敷きに使う粗毛フェルトで1m2\700.-でした。(こんなに使いませんが購入最小単位でした。) 後は25mmの軸細コーススレッドネジです。  最も高いシナ合板で\9,000.-程度、OSBですと\6,700.-程度が1ペアーの総費用となります。 得られる音質からすると大変CPの良いスピーカーで、投資金額に対する期待を裏切らない質を
備えていると思います。

 設計寸法は前掲のとおりですがこれを基にした板取りは3 x 6合板から幅が
 156mm91mmの板を各2枚ずつ長手方向に切り出すと全材料が確保できます。
 この切断はホームセンターにお願いすることをお奨めします。
 ホームセンターのパネルソーの刃幅は約3mmありますから159mm94mmそれ
 ぞれ2枚の合計が合板使用量で、159 x 2 + 94 x 2 = 506mmから サブロク
 (3 x 6)の幅は910mm強ありますから56%の使用率です。

 左の図をクリックすると拡大図が見れます。

 ホームセンターで切断してもらった材料を更に切断し組み立てるわけですが、以下
 の写真でそれらの様子をご覧下さい。 


ホームセンターで切断してもらった91mm幅と156mm幅の板計4枚。 これを更に板取り図のとおりにノコギリで切断します。


正確に切るにはこのような工作台を2つ使い切るときの目線はノコギリの刃の真上に来るように!0.3mm以内の切断誤差に収め、切口が直角になる秘訣です。)

切り出した全材料。 91mm x 72mmの小さな板の91mm寸法には特に気をつけます。


スピーカユニットの取り付け穴(直径71mm)とスピーカー端子の固定穴を書きました。

ジグソーで切り出そうと思ったら高湿度のためジグソーの底面は錆びだらけ。 そこで紙製の包装用粘着テープで覆い板が汚れないようにしました。


穴あけが終った4枚の板(右2枚がスピーカー用)です。  
(丸穴あけの方法の詳細解説はこちらから)

組立は前板と側板からですが、22mm隠し釘を両端と真中の3個所打ち、先が1-1.5mm程度飛び出るようにしてからボンドを塗り合わせます。 段差やずれが無いよう調節して押し込み隠し釘を打ち込みます。


その後25mm軸細コーススレッドネジを8cm間隔位で締めこみます。 (この方法はネジを締めるときにずれが起きて組立精度が悪くなるのを防止するのに大変効果があります。)

L字型の中仕切りを同様の方法で組み立てておきます。 
(隠し釘とネジの併用の様子が判ると思います。)


天板を接合しました。 ずれ防止にやはり隠し釘を使っています。

L字型の中仕切りを固定しました。 これにも隠し釘が併用されています。


同様に裏板を固定、次に底板を固定して片方の側板への接合は終了です。

今回使用したFostex FE-87。 Fostexの他の80mmフルレンジでも同等の低音再生が得られると思います。


スピーカーユニットからスピーカー端子板までの配線を半田付けしました。

吸音材(10mm厚粗毛フェルト)をこのように切り、右の写真を参考にしながら挟み込みます。


吸音材は内寸より少し大きいので接着剤で固定しなくても動く心配は少なく、少量の接着剤で点で固定します。

 このあと吸音材の量と位置の調整をしない場合には、反対側の側板を木工ボンドとネジ併用で固定して本体は完成。
 台座の取り付けと塗装が残っていますが試聴はもうOKで、ご覧のとおり前作のTQWTに対してかなりコンパクトです。

 音のバランス、品位も大変良く口径80mmでは最高の出来栄えだと思います。 但し過大入力には十分注意下さい。

補足説明

今回の組立はTQWTの時とは異なり木工ボンドとネジの併用にして作業性が大変良くなる手法を取りました。 ネジで締め付けてしまうため木工ボンドが固まるまで寝かせる必要もなくどんどん組立は進められます。  但しネジを締めこむときにずれが生じやすいのでこれを防止するため22mmの隠し釘をずれ防止と接合位置を正確にするため使用しています。 石橋を叩くようなやり方と言えるかもしれませんが、私の編み出した手法です。 尚このような隠し釘の使い方は長さが短い(頭5mmを落とすと17mmしか残らず計算上では5mmしか刺さらない!)ので隠し釘の締結力は殆どありませんから、ネジで締結終了したら頭を落としてしまって構いません。

今回の作り方の特徴は上で触れた作業がどんどん進められる点にあります。 このお陰で1日で間違いなく完成しますし、ねじで締め付けるために隙間発生の恐れも少なく極めて実用性や効率の高い方法です。  但しネジの頭が沢山見えますから、ニスで仕上げようと言う向きには適していません。 ネジ穴をパテで埋めてペイントで塗りつぶすしかなくこれが唯一の弱みですが、日曜大工初心者でも失敗なく挑戦可能です。

音のチューニングは吸音材の量と挿入位置によって行いますが、上で紹介する方法は15時間近くの試聴と吸音材の調整の結果決定したもので十分に満足できる音質ではないかと思います。 もしも更なるチューニングにチャレンジしたい場合には反対側の側板をボンドで完全固定せず、ネジの量を半分くらいに減らして仮固定し、吸音材の調整をやってみてください。  一般的には吸音材がないとボーカルで特に目立ち、風呂場の中で発声しているような残響音が多いのでこれを吸収してやりますが、吸音材を使いすぎると低音のエネルギー感が薄れてきて痩せた感じの音になります。 
またここで使った粗毛フェルトよりも吸音効果の高い材料もありますが(値段も高い)、それらは全て好みの範疇で選択すればよいでしょう。




お知らせ  2003/09/26

塗装作業については他の2作品と共にこちらで解説されています。



2003/10/17

フロントグリルの製作

塗装も終了しましたのでいよいよ最後の作業のフロントグリル作りに入りました。 思いつきに近い形で少しでも新鮮な形をと思い前板の両端と天板の左右の端を斜めに削りましたので、それに併せてフロントグリルも切妻屋根のような緩いテーパーを付けることにしました。

それ以外はどうということもありませんので、以下の写真でご覧下さい。

フロントグリル周りのデザインはこのようにしました。


材料は9mmラワン合板、細いエゾ松の棒(何れも端材)から切り出しました。

切り出した部材を木工ボンドで貼り合せます。


接着が終了し成形を終えたフロントグリル枠。

グリルを上から見た所。 切妻状の形状が判ります。


ボックスの取り付け予定位置に当ててみました。



2003/10/24

フロントグリルの製作その2

グリルの加工をしている間に台座をBOXに貼り付けましたが、別途解説している大型クランプで密着度を上げています。 
この大型クランプはワゴンの製作中に考案した物ですが、大変うまく機能しています。

さてグリルの表面を艶消し黒で塗装しグリル固定のプラスチックスリーブを取付けるのですがこれに関する詳しい手順は、グリルの固定方法と共にTQWTスピーカー製作を参考にしてください。

その後でグリルに締め付けたスリーブを一旦外してジャージーを貼り付けこれが固着できたら再びスリーブを締め付けて完成ですが、その推移は以下の写真をご覧下さい。

妙な格好ですが自作大型クランプで座板を木工ボンドで貼り付けました。

座板に固定されたBOX。 合板の木口の積層部分を敢えてデザインの一部として見せたつもりなのですが?

一方グリルの表面を艶消しの黒で塗装しプラスチックスリーブを固定し、その差し込まれる穴加工を本体に施します。
(方法手順は、こちらを参考にしてください。)

グリルを本体に取り付けた後の全景です。

グリル周りのアップ。 10 x 9mmの太さの合板で組んだのですが意外にしっかりしたものになりました。

真横から見た所。 5mm程の隙間に白いスリーブが見えます。

グリルに貼るジャージー。 左半分は裏側、右が表側です。 
ジャージーの接着にはボンドG17クリヤーを使います。

ジャージーは折り返し部分+α25-30mm位はみ出た位置で切断しています。 

長辺の片側に貼りました。 ジャージーを引っ張って伸びる最大量の半分くらいに伸ばして接着します。 穴位置が判らなくなるので貼った後スペーサーをねじ込みました。

15分後反対側に巻き込み真中を貼り次いで端を貼ります。 引っ張る量はやはり最大の伸びの半分位。

短辺も同様に巻き込んで貼り付けます。 ジャージーの裏面の織り目を見て貼り具合を確認出来ます。

内側にはみ出たジャージーをはさみで切り落とし、角はこのように外側は5-6mm、内側は出来るだけ短くなるようつまんで切り落とします。

角のジャージーを外に開き見えてくる枠に接着剤を少し多めに塗ります。

ジャージーの角の端をつまんで内側に引っ張り貼り付けますが、クランプで10分程度固定すると楽です。

クランプを外して飛び出ているジャージーをはさみで切り落とし、ジャージーをグリル枠に密着するようこすりつけて平らにします。

ジャージー貼り付けが完了した角のアップです。

ジャージー貼りの終ったグリル。 裏側は接着剤の滲み出しの為綺麗でありませんが、表面は綺麗に出来ました。

スピーカー本体にグリルを嵌め込みました。 中央縦の折れ線がアクセントになっています。

全ての作業が完了したミニタワースピーカーシステム。 かわいい感じです。

以上でミニタワースピーカーの製作は終了です。 半分遊び心で始め作り方も簡単な方法を採用しましたが、結果はなかなどうしてキュートな小音量のサブ用にもってこいの物が出来ました。

----- 完 -----


Copyright (C) 2001-2019, Vic Ohashi All rights reserved.