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加色混合実験機
   
2009/07/17

構想

子供向けの工作テーマ第一弾は、加色混合実験機です。 理科の実験として大変興味深いテーマです。 尚いい加減な物にしたくなかったので、半田付け箇所が多い等少々難易度が高いかもしれませんが、要望が多ければそれら半田付けの箇所を少なくした物を材料キットとして販売することも考えております。

先ずタイトルが『加色混合実験機』と大変いかめしいのでそれをちょっとほぐしておきましょう。

 幾つかの色を混ぜるとどうなるかは、どなたでも絵具を使った時に経験していると思います。
 赤と青を混ぜれば紫が出来る。 黄と青を混ぜれば緑色が出来る。 といったぐあいです。
 そして色を混ぜると元の色よりも明るさが下がった感じになり、多くの色を混ぜると灰色の
 ような黒に近い色となります。

 色と色をまぜるこの方法を『減色混合』と呼び左の図はそれを表しています。
 この方法で使われる基本的な3つの色マゼンタ、シアン、黄色を減色混合の3原色と呼
 び、絵を描くときや印刷などではこの方法を使っています。

 私が小学生の頃は赤、黄、青を減色混合の3原色と教えられましたが、それでは作れない
 色があるので、マゼンタ、シアン、黄色が正確な3原色の色名です。  そういえばカラー
 プリンターの交換用インクの色の名称は確かにマゼンタとかシアンという名称を使い、赤と
 か青とは呼ばれていません。

 それと左の図を見ると理論的には3つの色を混ぜると黒が作れるはずなのですが、実際に
 は灰色になるため、印刷用では黒を追加した4色で表現しています。

さて色の混合にはもうひとつの方法があってそれを『加色混合』と呼びます。 これは光の
混合とも呼ばれる方法で、3原色として赤、緑、青の3色から成り立っています。

右の図はこの加色混合の様子を表したもので、上の減色混合とかなり違っており最も特徴
的なのは複数の色の光を混ぜると元の色よりも明るくなる点にあります。 そして3色をうまく
混合すると白色が出来上がります。

 加色混合は私が子供の頃は身近に確認するのが困
 難でしたが、現在ではカラーテレビやパソコンのモニタ
 ーに色を表現する方法として、またデジカメで色を記
 録する方法として(赤、緑、青に分解して記録)使われ
 ており大変身近になっています。

 左の写真はデジカメでパソコンのモニターの白く見え
 る部分を超接写したもので、ルーペ(虫眼鏡)で拡大
 した感じに近いですが、それを更に拡大すると下の写
 真のように赤、緑、青の沢山の粒々が並んでおりこれらで色が表現されていることが判り
 ます。

 さて本題に入りましょう。 このテーマである『加色混合実験機』は赤、緑、青の3つの光を
 混合するとどんな色になるのかを確認できる装置です。

 赤、青、緑の光源はLEDを使いますが、昔に比べたらより手軽でしかも安い費用で理想に近
 い色の光が得られます。 それぞれの光の明るさを変化させると広範囲の色が表現できる
 のでそれぞれ明るさを12段階で調節できるようにします。 従って混色の組み合わせとして
 は、12 x 12 x 12 = 1728通りあります。

 そして定電流回路というちょっぴり高級な回路を使っ
 て大変安定した点灯方式にしますので、色や明るさ
 の再現性もよくなります。

例えば混色した結果ある色を非常に気に入ったとしたら、赤5番緑9番青4番のように記
録しておけば、いつでもその色が再現できますし電池の電圧の変化にも強くなっています。

若干変更があるかもしれませんがその全回路図は右の通りです。 抵抗を36本も使うので
えーっ!これは組立てるのは大変だよ!と思われるかもしれません。
確かに明るさを12段のロータリースイッチ3個で選択しますのでそれに繋がる抵抗の結線は
少々手間の掛かる作業になるかもしれません。

これは余談ですが、実はこの装置はもっと簡単に出来るだろう!と安易に考えていました。 LEDを最も簡単に点灯するには乾電池3本、抵抗1本、そしてLEDがあれば十分です。 それを3色分準備すれば赤、緑、青の光の混合は実現できるのですが、それぞれの明るさの調整が出来ないとなりませんので、抵抗は可変抵抗に変更します。 つまり電池3本、赤青緑のLED各1本、可変抵抗3個の部材で作れるので材料費も\1,000以内に抑えることが可能です。

ところが実験してみるとこの方法では明るさの調節がうまく出来ません。 十分に明るさを落とすには高い値の可変抵抗器を使わないとなりませんが、そうすると最も明るい状態からほんの少し回しただけでがくんと光量が落ちてしまいます。 そうならないためには低い値の可変抵抗器を使うことになりその場合光量を絞れません。  そこでLEDに流す電流を厳密にコントロールできる回路を使い、「LEDの光量は流す電流にほぼ比例する。」という原理に忠実に動作するようにしています。

人間の目は明るさが半分になるとはっきり認識できると言われていますが、上の回路では最も明るい状態(スイッチが12番の状態)で20mAの電流をLEDに流し、そこから左に移動するたびにLEDに流れる電流は半分に減ります。(明るさが半分になる。) 従って12番での明るさが1であったとすると11番以下は、1/2、1/4、1/8、1/16、1/32、1/64、1/128、1/256、1/512、1/1024と続き、最後の1番では電流が流れませんから明るさ0という変化を得られます。

非常に安定した電流コントロール方式ですから同じスイッチの位置なら何時でも同じ明るさになり、電池電圧が6.5V程度まで低下しても明るさは変わらないという小学生向けの実験装置としては大変ぜいたくな物になっています。


そんな事情があってスイッチ周りは沢山の半田付け個所があり、難易度
がアップしてしまいますが、部材キット販売で解決しようと考えています。
その場合右上の点線内は接続済みとして右の図が購入者用の結線図に
なります。 これであれば小学生高学年以上であれば十分に製作可能に
なると考えています。

この部材キットの販売価格や販売開始時期などは次回に紹介しますの
で、これで何が出来てどうなるのか? 製作難易度は?などを次回の
解説を確認の上ご希望の方はお便りをお寄せください。
(要望の件数により販売するかどうかを1週間後に決定します。)

折から間もなく夏休みとなりますが、夏休みの工作のテーマとしても面白
いのではないでしょうか? というか最近の理科の時間では加色混合を
どのように説明されているのかも知りませんから当てずっぽうにしか過ぎ
ませんが、理科に興味のある子供さんには格好のテーマだと思います。




2009/07/24

製作詳細解説

以下の説明は主要材料キットとして販売する際に組立て説明書としても使っていただけるように写真と共に詳しく解説していますので、それらを読んだ上で製作難易度について個々に判断してください。  尚先週キット販売をする場合スイッチへの抵抗結線が完了済みで考えていると申しあげておりますが、私の手間が非常に掛かり対応する時間が取れそうに無いので取りやめにさせていただきます。 この点ご了解ください。

 最初にお断りしておかないとならないのは、先週掲載した回路図の変更です。 具体的に
 は1.8KΩの抵抗が3本追加されています。 これはLM317Tはメーカーが想定外の動作をさ
 せており、出力電流が微弱になったときに出力電流が下がらなくなる現象を若干補償する
 目的で入れています。 この為にLM317Tを破壊させるようなことは決してありません。

 具体的には左の図をご覧ください。 また回路中の配線の色は私が実際に配線で使った
 色に変更しています。 従って写真を見ての理解もしやすいと思います。

 この製作で使用する材料の一覧は右の通りです。(クリックで拡大。)
 記入されている単価は秋葉原で売られている2009年7月現在の平均
的な値で参考値としてご理解ください。 その中でロータリースイッチについては今回使用したものとは違う仕
様の価格になっています。  尚どこで入手可能か?などの質問にはお答えしかねます。


製作に必要な道具

木工作部分は作り方により必要な道具は様々ですので省略します。 電気回路部分の製作には、

  ・ 半田ゴテ (20W 前後の小型の物が良いでしょう。)
  ・ フラックス入り糸半田 (太さ1mm位。)
  ・ ニッパー
  ・ リードペンチ (先の細いペンチ)


があれば作れます。 テスターがあると更に便利ですが、なくても製作は可能です。

 このテーマの製作では沢山の抵抗を使いますが、それらの抵抗値表示は全てカラーコード
 化されています。 そしてこのカラーコードは初心 者にとって難物のひとつのようです。

 そこで抵抗のカラーコードの定義と今回使う抵抗に塗られたカラーコードがどうなっているか
 を左に示します。 この表は別な製作の機会にも使えますのでお役立てください。

 見方の一例を説明します。 抵抗には4本の色帯がありますが、それらが端から茶、黒、
 赤、金だったとします。 最初の2本は抵抗値を2桁で表しており茶、黒となってますから
1と0に相当し2桁の10を意味しています。 次の帯は倍数を表しこれが赤ですから102 = 100倍を表します。
これらから10 x 100 = 1000Ω = 1KΩということになります。 最後の帯は抵抗値の許容範囲を現しており金色は±5%の許容値を持っています。 従って1kΩと表示された抵抗の実際の値は、950 - 1050Ωの間にあるということになります。 今回使う抵抗は許容値の帯が金色に塗られた±5%の物です。


製作の第一ステップ

ロータリースイッチに抵抗を半田付けする作業から始めます。 難易度はそれ程高くありませんが、合計で36箇所の半田付けがあり一番時間の掛かるところですから落ち着いて作業を進めます。

ロータリースイッチには合計で13個のピンがあり、そのうち12個は円周上に等間隔に並んでいます。 中心から少しずれた位置に残りのピンがありますがこれがスライダーと呼ばれる端子になりますがこれに赤、緑または青のワイヤーを30cmの長さに切断し半田付けします。

次に2番ピンに68KΩ(青、灰、橙、金色の帯)のリード線を1cm程度で切断して半田付けします。 そして3番ピンに33KΩ(橙、橙、橙、金色の帯)を同様な作業で半田付け・・・・・と、合計で11本の抵抗を半田付けします。(回路図にて抵抗値と何番のピンに接続するかが判ります。 間違った抵抗を半田付けしないよう落ち着いて作業を進めてください。)

3個のロータリースイッチにワイヤーと抵抗の半田付けが終わったら、11本の抵抗のワイヤーの先を束ねてよじり半田付けします。 これでロータリースイッチのユニットの組立ては完了です。 それらの様子は以下の写真もご覧ください。

最初の作業は33本の抵抗をロータリースイッチ3個に半田付けすることから。 時間は掛かりますが単純作業です。 半田付けする抵抗値を間違えないよう十分に確認しながら進めます。

ロータリースイッチのピンの内側にはピンナンバーが入っておりますので、良く確認してください。 中央よりの1本はスライダーピンです。

そのスライダーピンに赤のワイヤー(長さ30cmに切断)を半田付けします。 他の2個のロータリースイッチの場合には同じ長さの緑と青のワイヤーを使います。

2番ピンに68KΩの抵抗を半田付けしますが、抵抗のリード線は約1cmで切断しておきます。(リード線の反対側は切断しません。)

全ての抵抗をロータリースイッチに半田付けしたところです。 間違った抵抗値になっていないかどうか十分に確認しておきましょう。

11本の抵抗のリード線を束ねてよじり半田で固めます。 これでロータリースイッチユニット1個が完成です。

3セットのロータリースイッチユニットが出来上がりました。 それぞれの端子と回路図における端子記号を付き合わせるとこのようになります。


製作の第二ステップ

 ラグ板(端子板)に他の部品を半田付けするのがこの工程です。
 IC(LM317T)3個、抵抗6本にワイヤーを接続します。 半田付けの順序ややり方次第で、確実な配
 線が出来なかったり作業が難しくなったりしますので、以下の写真とその説明する手順で進めてく
 ださい。

 尚ラグ板(端子板)への配線の様子を描いたのが左の図ですが、この図では私の技量不足で立体
 的に描けないため端子板のピンを立てないで配線しているように描いていますが、実際にはそれ
 では組立てられないので、写真の方を参照ください。

この工程で使う全材料です。 左上から右へ、6P x 2のラグ板(端子板)、LM317T 3個、その下は左から5色 30cmのワイヤー、2色3cmのワイヤー、抵抗6本(15Ωと1.8KΩ各3本)です。

最初にペンチを使ってラグ板の全てのピンを垂直に立ててしまいます。 こうしないとLM317Tがうまく半田付けできません。

ラグ板の端のピンに1.8KΩの抵抗をからげます。 そして3cmの長さの黒のワイヤーもからげた後にこの1箇所のみ半田付けします。

黒のワイヤーの反対側にもう1本の黒のワイヤー(3cm)をよじった後に3番目のピンに通してからげます。 更に1.8KΩの抵抗をからげた後半田付けします。(ここも抵抗の反対側はからげるだけで半田付けしない。)  更にワイヤーの端を30cmの黒のワイヤーとよじり5番目のピンにからげ、1.8KΩの抵抗をからげた後に半田付けします。

LM317Tの予備加工をします。 外側のピンは直角に真横に曲げ、真ん中のピンは斜めに曲げます。 曲げる方向は写真のように印刷面であることに注意してください。

ラグ板の端から2番目のピンにLM317Tの外側のピンを通した上でLM317Tの真ん中のピンをこのように端子板の1列目のピンに当ててここだけを半田付けします。

同様に残りのLM317Tを半田付けしますが、この段階ではLM317Tの斜めに曲げたピンだけを半田付けする点にご注意ください。

紫色のワイヤー(3cm)を2列目のピンにからげて半田付け、もう一本の3cmの紫のワイヤーとよじった上で4列目のピンにからげて半田付け、最後に30cmの紫色のワイヤーとよじって6列目のピンにからげて半田付けします。

2、4、6列目のピンに赤、緑、青のワイヤー(長さ30cm)をからげてから半田付けします。 色の順序は特に指定はなく好みです。

15Ωの抵抗3本のリード線を約1.5cmに切断し、先をこのように曲げておきます。

1、3、5列目のピンに抵抗のリード線を引っ掛けながら半田付けします。 これらの抵抗だけからげずに引っ掛けた状態で半田付けするのは、場合によっては別な抵抗に変更する可能性があるからです。

以上でラグ板(端子板)の配線は完了です。 このラグ板からワイヤーや抵抗がどこに接続されるかはこの写真と回路図を参照ください。


本体の製作と最終組立て

 私が作った物の寸法は左の図面の通りですが、大きさ形の自由度が高いので製作の説明
 は特に致しません。  奥行きを15cm程度、前面にあける窓の部分が10cm x 10cm程度、
 また周りの光が内部に侵入しないようになればOKです。
 材料としては入手性の良い薄い合板が良いと思いますが、私の場合には4mm厚のシナ合
 板を使っています。

 LED 3本を固定する3個の穴を裏面にあけますが、
 3本が出来るだけ接近している必要があります。  私は直径8mmの円周上に3個の穴の中心が来るようにしましたが、それをどうやって作図するかを右に紹介します。

 そのLEDですが、3色(赤、緑、青)と言っても本体は無色透明のプラスチックで点灯しない限
 り全く区別がつきません。 更に業界の約束事でプラス側のリード線は長くしてありますが、
 リード線を曲げてしまうとどちらがプラスか判らなくなります。 これらを解決するため私は
 LEDのプラス側の根元をマジックインクで着色しました。 こうしておけば誤配線を避けられま
 すので大変便利です。 部材キットを販売する場合にもプラス側のリード線は発光色で着色
 しておこうと考えています。

 (左の写真はLEDのプラス側リード線の根元を発光色のマジックインクで塗ったものですが、
 それがないと赤なのか緑なのかはたまた青なのか全く見分けが付きません。)


 前面の窓には薄い紙を貼ります。 私は障子紙の残りを使いましたが習字用の半紙でも良いでしょう。  勿論塗装してやれば綺麗に仕上がり見掛け上の完成度がぐっと上がったように見えると思います。 機能的には無塗装でも全く支障ありません。

箱が出来上がったらロータリースイッチ3個、ラグ板、LED3本を固定し、それらの間を結線すれば完成です。

奥行きが15cm程度、前面の窓の部分が10 x 10cm程度あり中に外の光が漏れない構造であれば後は自由ですから、それぞれで工夫してみてください。 前板が右に出っ張っていますが、ここにロータリースイッチ3個が取り付けられます。

背面はこんな具合で中央に5mmの穴が3個あいておりここにLEDを挿し込みます。

前面の裏側には障子紙を切って貼り付けました。 これは半紙でも良いでしょう。

ロータリースイッチはその軸に菊型ワッシャー(下の左端)を通してから本体パネルに差込み、次に平ワッシャー(菊型ワッシャーの右)を通して最後にナットで締め付けますが?

平ワッシャーの小さな爪は曲がっていますので、これをペンチで平らにしてやります。

ロータリースイッチ本体には回転止めの突起(プラスチック成形の一部。)が付いていますが、

これもニッパーで切り落として表面をヤスリで削っておきます。

3個のロータリースイッチを固定します。 写真では1番の位置にツマミがある時になっておりツマミは真下近くを指しています。(時計の短針の6時30分の位置)

手前のあいたところにラグ板を固定しますが、ラグ板での赤、緑、青3色の順序どおりにロータリースイッチが並ぶように固定しておきます。

ラグ板の3本の抵抗の先端がロータリースイッチの先端に十分届く位置にラグ板を木ネジで固定します。

抵抗3本の先端をロータリースイッチの先端に半田付けします。(場合によっては抵抗を交換することもありうるので、抵抗の先端をからげる必要はありません。)

ロータリースイッチから出ている赤、緑、青のワイヤーをそれぞれラグ板の赤、緑、青のワイヤーが半田付けされているピンに半田付けします。(長さが適当になるようワイヤーを短く切断してください。)

ラグ板から出ている赤、緑、青のワイヤーをまとめてバラケを抑えるためセロファンテープで固定しました。 同様に紫と黒のワイヤーもセロファンテープで固定しています。

背面にLEDを挿し込みます。 LEDは予め色を間違えないようマジックインクでプラス側の脚を塗っておりますが、その塗られた脚が外側になるよう挿し込みます。

次に色が塗られた脚を外側に曲げてやり、マイナス側の3本の脚は束ねます。

曲げた赤、緑、青の脚に同色のワイヤーを半田付けします。 この時に脚は長いままとして切断しないで半田付けします。 また半田付けは5秒以内で手早く行います。

ラグ板から出ている黒のワイヤーと電池スナップの黒のワイヤー先端をよじって束ねられたLEDのマイナス側3本に半田付けします。(この半田付け作業も短時間で手早く行います。)

電池スナップの赤線とラグ板から出ている紫のワイヤーを結線します。 結線してからセロファンテープを巻いておけばショート防止になります。

これで完成しました。 もう一度結線が間違っていないかどうか回路図と付き合わせながら確認してください。

完成した加色混合実験機です。 この装置にはスイッチがありません。 電源のON/OFFは電池スナップに電池を繋ぐかどうかで代用しています。 実際に点灯テストをする場合には、全てのツマミを左に回し切って(1番の位置)から電池を繋ぎ、この本体の内側を覗き込み赤、緑、青のLEDがかすかに点灯していることを確認します。  その後ツマミを右に回して行くと少しずつ明るくなり右に回しきったところで最大の明るさになります。 それを3色で確認できたらOKです。


 註): 電池(006P)を電池スナップに繋ぐ際
    逆接続や逆接触させてしまうと、ICや
    LEDを破壊してしまう可能性がありま
    すので、左の写真を見て間違えない
    ように接続してください。




混色実験

周りを暗くした方が色の変化が確認しやすく特に暗い色は周りが暗くないと良く判らなくなります。  3つのツマミを左に回しきった状態では、濃い灰色のように見えますが、全て右に回しきると最大の明るさになります。

そして赤、緑、青の3色の明るさが等しくなると混合された色は白っぽくなります。 但し各LEDからの光には様々な理由で明るさの部分的な斑がありますので均等な色を出すことは困難です。 またLEDは色によって発光効率が異なるので、同じツマミの位置で各色が同じ明るさにはなりません。

この辺りをどうしても調整したければ、明るすぎるLEDの回路に入っている15Ωの抵抗を大きくして調整することが出来ます。
(現在以上に明るくすることはLEDの破損に繋がりますので出来ませんから、明るすぎるLEDを抑える方法しかありません。)
製作解説の中で15Ωの抵抗だけは線をからげて半田付けしなかったのは、この交換を容易にするためであり、また交換しやすい位置になるよう配慮しています。   



左の写真をクリックすると動画がご覧いただけます。 AVIファイルですのでWindows Media Player などでご覧いただけます。

最初は真っ黒な画面ですが暫くたつと、かちゃかちゃ音と共に画面に色が出てきます。 このかちゃかちゃ音はロータリースイッチを回している音です。 かちゃかちゃ音毎に画面は明るくなったり暗くなったりしますが、それ以外のときにも明るさが変化します。

これはカメラが露出オーバーやアンダーを調整するため絞りを開閉するためで、見た目にはそのような明るさの変化はありません。 またコンパクトカメラでの撮影でダイナミックレンジが低いですから色飽和が発生しています。 この辺りも実際の見た目とは異なりますので、見え方についてはあまり参考になりません。 ご了解ください。 次にお見せする静止画の方が実際見た感じに近いです。

赤、緑、青の混合比を変えてみた幾つかを参考までに以下に掲載します。 何しろ1728通りの組み合わせがありますからそれら全てをお見せできませんし、写真での色と肉眼で感じた色は結構違いますから、実際に皆さんに試していただかない限り本当のところは理解しにくいのですが、組み合わせの中にははっとするような美しい色が出て嬉しくなる場合があります。
これらは青系の例ですが、青のLEDのみですと左端の色を更に濃くした感じです。 中央は私の好きなエメラルドグリーンを出そうとしたもので、見た目ではもうすこし緑が強く見えます。 右は青と緑を最大にして赤がちょっぴり入った状態のいわゆる水色でしょうか。

こちらは緑色系ですが、左端は若葉の緑色を想定して混色したもので、中央はそこから赤の色を少し抑えて緑を濃くしました。 右端は黄色をイメージして試した例で、肉眼ではもっと黄色っぽく見えます。 LEDから放射される明るさには斑があるので、部分部分で色が違って見えます。

こちらは赤系ですが右端はピンク色を意識して出してみたものです。 これを見てはっきりと判ったのですが赤のLEDの右下は光量が低下しているようです。 中央はほぼ赤のLEDのみの色で、右端はローズピンクを出してみようとした例です。


こちらはオレンジ色近辺を出してみた例で、それぞれのLEDの発光斑が影響しているようです。 また右端は白っぽい色にしてみました。 若干の色むらがあるとは言え、3色から作れるのが大変不思議です。

----- 完 -----

 
  
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