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花車(一輪車)
2003/02/13
 構 想

 左の写真はスペイン LLADRO(ジャドロ)社製の磁器で出来た人形ですが、少女が
 花をいっぱいに積んだ一輪車を押している姿をモチーフとしています。

 この人形を見ると思わず春がやって来た時のワクワクするような心持がなんとも言
 えず、花車を作ってみようということになりました。

 花車の形には色々な物があるものの、花車の一輪車の実物を全く知りませんか
 ら、それらしき形態をしていて大きすぎず日曜大工初心者にもお奨めできる構造・
 低廉な製作コストをテーマとします。

 従ってSPF材を中心に設計を進め、花を植える部分は市販のプランターボックスを
 嵌め込んで最小限の手間で出来るように考えます。 

 また車輪の作り方もSPFだけで作るとなると結構工夫を要します。 ベニヤ板を丸く
 切り抜けば簡単かもしれませんが、ベニヤ板とSPF材の取り合わせは外観的に面
 白くないのとコストがかさんだり無駄が多く発生します。

 大雑把な見積もりではSPF材を3本以内、それに太目のラミン棒を材料として考え
 ており中に入れるプランターボックスも含めて\1000強といったところです。





2003/02/20
設 計

 構想段階と外観のイメージは変わりませんが各部の微細な寸法を調整した結果左の図のように
 最終設計図としてまとめました。  板取りを良くしよう良くしようとあれこれひねってみたものの、
 SPF材半分強、ラミン棒2/3が余ってしまいます。 これ以上は改善不能と思われます。

 なおこの設計は長さ347mm、幅185mm、高さ165mmの小ぶりのプランターを元にしていますの
 で、入手できるプランターのサイズにより調整する必要がありますが、余程大きい物でない限り
 購入する材料の費用は同じになるのではないかと思います。
 (左の図をクリックすると拡大します。)


材 料

 1.SPF材
   SPF材の中でワンバイ材と呼ばれるものを使います。 1枚の寸法は幅88mm、長さ1830mm、厚さ19mmで、計3枚使いま
   すが後述するように2.5枚あれば足ります。 

 2.ラミン棒
   ラミン材で出来た直径24mm、長さ900mmのものですが実際には300mmあれば足ります。

 3.ネジ
   スレンダースレッドネジ又は軸細コーススレッドネジで直径3.3φ長さ35mmのものを使います。

 4.塗料
   アサヒペンのガーデンカラーと呼ばれる水性の屋外用塗料を使いました。 
   木目が見えるステイン系で最も小さな1/5リットル缶で充分足ります。 ダーク調にして花を引き立てようと考えたためウォー
   ルナットを選んでいます。


使う道具・工具

 1.ノコギリ
   曲線カットがある為電動ジグソーが必要です。 直線切りの部分はゼットソー265を使用しています。

 2.電動ドリル・ドライバー
   ネジ締めと穴あけの作業にリョービのFDD-1000を使用しました。 24φの穴あけはメーカー保証外の使い方となりますが、なんとかうまく加工できました。

 3.木工ヤスリ
   片面が粗目、反対側が中目のものと、薄い金属板を使ったものを使用しましたが、切断面の仕上げに使います。

 4.カンナ
   面取り用に使います。 木工ヤスリやサンドペーパーで代用してもかまいません。

 5.サンドペーパー
   #120と#240があればよいでしょう。 塗装前の仕上げに使います。

 6.曲尺(指金)
   線を引く、直角が出ていることを確認する、などに使用します。

 7.可変ビット
   木工用のキリの一種で穴の直径を連続して可変できるため便利ですが、バランスが狂ったまま回転しますので使い方が
   少々難しいキリです。  先端のネジの山を削りこんで切り込み能力を落として使っています。
    (可変ビットの写真は組み立て解説の中にあります。)


加工と組み立て
一連の写真と解説でお目にかけますが、最も難易度の高い部分は4枚の板を貼りあわせて作る車輪です。 貼り合わせはどうということないのですが、穴あけと円切りは何しろ38mmの厚さですからかなり大変だと思います。 これさえ乗り越えられれれば他に難しい所はないと思います。 尚貼り合わせる前に穴をあけたり円切りしたほうが楽なのでは?とのご意見が出そうですが、切り口の不揃いが多くなり成形に極めて時間が掛かるようになります。 どうしてもうまく切れない、切る自身がないという方は、20-30mmの厚みの1枚板から切り出しても良いと思います。 その場合にはFの幅を詰めることとDの切り欠きの寸法を変更すればよいでしょう。

この図を参考にSPF材(1x4)4本、24φ900mmから切り出す。
図をクリックすると拡大します。

ラミン棒を除き切り出した全材料。
穴あけに使った可変ビット。これは25-46φ用の物ですが、強引に24φにセットして使いました。


可変ビットをセットしたドライバードリルFDD-1000。
メーカー推奨外の過酷な使い方なので長時間使うとモーターが焼損する危険があるため長時間使用は禁物。

4枚のHを重ねてネジ止めし38mm厚1枚にしてから円切り。
ネジ位置を図のようにすると見た目がよくなります。

ネジで貼りあわせた後真中に24φの穴をあけました。
電動ジグソーでゆっくり落ち着いて切断します。 あせって無理な力を入れて切ると切断面が円錐状になってしまいます。

切断面はこのようです。 丸棒はゆるく入るくらいでOK.。
 AとB合計4枚をこの図のように加工します。
 数値を読みにくかったら図をクリックください。

Aの取っ手が嵌まり込む深さ5mmの座繰り穴も、可変ビットであけます。

FとCの二次加工図。 図をクリックで拡大します。

穴あけが終わったC。
Cの後ろ側を加工しました。

Fの後ろ側の角は木工やすりで削り落とします。
DとGの二次加工図。

加工が終了したG
Dのこの凹状の切り欠きは電動ジグソーで切り抜きます。

全ての二次加工が終わりました。
Jの中心に幅38mmで切った紙を巻きHにややきつく嵌まり込むよう調節します。 そして紙前面に木工ボンドを薄く塗りJに貼ります。 その後巻きつけた紙の表面とHの穴に木工ボンドを塗りつけてJを嵌め込みます。 はみ出た木工ボンドは濡れ雑巾で拭き取ります。

Jが中心に収まるよう、また極力Jが垂直にHに嵌まり込むよう調整し3時間寝かせます
Aと上のD(切り欠きがない)をネジ1本ずつで締結します。

Bに脚Gをネジ2本ずつで締結します。
EをネジでAに固定した後Kを嵌め込んでもう一枚のAを乗せてD、Eにネジ止めします。

B2枚をネジ止めした上で切り欠きのあるDを固定します。
C1枚とFをネジで締結した後車輪をCの穴に嵌め込んでもう1枚のCをFにネジ止め。

下部Dの凹状切り欠きに落とし込みネジで固定します。
組み立て終了。 プランターを入れて手前斜め上から見た。

同じく真横から見たところです。
これは前方から見下ろしたもの。

真後ろから見るとこうなります。
いったん車輪を外してから全体を水生屋外用ステイン2回塗りした後再度組み上げました。 以上で完成です。

塗装前の状態では車輪はくるくる回りましたが、塗装すると塗膜分ラミン棒が太くなること、穴の内部の木の繊維が塗料を吸って膨張したり立ったりするため、再度組み立てした後はきつくて回らなくなりますが、回らなくて正解です。  というのは回れば車輪と車輪を支えるCがこすれて塗料が剥げますし、何しろ飾りですから回らなくても良いわけです。

出来上がった花車は我が家では屋内で使っていますが、接合に木工ボンドを使っていませんから念入りに塗装すれば屋外で使っても耐久性はかなりあります。

ということでなんとも可愛らしい花車が出来ました。 春の準備がひとつ終わりました。

--- 完 ---

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